これまでにも何度か書いている相貌失認症ぎみの話。
今回のは自分でも、自分のアタマをつくづく疑ってしまった。
数日前に仕事のおつかいでスーパーに行った時に、出口付近で、見覚えのある顔と目が合った。
あ、えっと…、と、1テンポ置いて、会社の人らしいというのはわかったけれど、もやもやしてはっきりしない。
向こうは 「わ、こんなところで会うなんて」 という顔をしながらこちらに笑いかけて会釈してくれている。
幸いあちらは携帯で電話中。
倉庫のあの人、かな…? それとも去年辞めたあの人…ではないと思うし。もしかしたら全然違うところの知り合い?
いや、やっぱり会社の人だと思うけど…違うかな…。
そんなことをもやもや考えながら、向こうが電話中なのをいいことに、笑顔で頭を下げてそそくさと店の出口に向かった。
車に乗ってから、落ち着いて考えてみる。
うーん、やっぱり倉庫のあの人だと思う。
携帯電話に向かって話していた声は、やっぱりあの人の声だ。
皮膚の質感や口元の形も、あの人の肌や口元だ。
(部分部分は覚えているけれど、顔の全体像がはっきりしない。)
なんでわからなかったんだろう。
倉庫ではいつも束ねている髪を下ろしていたからかな。
そうだ、下ろしていたストレートの髪が去年辞めた倉庫の人と重なって、それで混乱してしまったんだ。
会社の倉庫は、普段私がいる事務所と壁一枚隔てているだけで、少し大きな声で話せば声が聞こえるほどの距離。
入口もトイレも共通だし、しょっちゅう伝票を持って行き来しているので、倉庫の人とは毎日何十回と顔を合わせて話をしている。
そして、倉庫担当の人は、現在3人。
スーパーで会ったその人は、その3人の中で一番新しい人で、ちょうど1年ほど前に私とRが面接をして採用した人。
つまり、この1年間、ほとんど同じ部屋の中にいるのと変わらないくらいに毎日顔を合わせて話をしている人なのに、外で会った途端にそれが誰なのかわからなくなったという次第。
いくら人の顔が認識しづらいと言っても、これはちょっとヤバくないだろうか…。