昨日、処分しようと流し読みしていた雑誌より。
「80年代、中国政府は積極的に(現代美術を)つぶそうとし、90年代は無視した。
だが最近は、政府も芸術がカネになることに気づいている」(スイスの元駐中国大使ウリ・ジグ)
で、2000年ごろから政府は現代アートの展覧会開催に寛容になり、中国各地で大規模な展覧会が開催されるようになったという。
タブーはもはやないと言っていい。アートフェアでは、タトゥーを施された生きた豚というウィム・デルボイの作品が(表向きは衛生上の理由で)出展拒否されたが、同じくデルボイによるタトゥーを施した男は評判になり、15万ドルの値がついた(購入者は男の死後、タトゥーを手に入れられる)。
(NEWSWEEK 2008.10.22号 「中国アートの『解禁』を見よ」より
15万ドル!
何十年か後のとっくに熱の冷めた頃に、死んだ他人の皮膚が届けられるのはどんな気持ちだろう。(まさか体ごともらい受けるんじゃないよね。皮膚だけだよね)
いや、15万ドルも出したんだから、数十年後にもそれを欲している自信があったんだろうか。
生身の体に彫られた作品にそれだけの値を付けた人になったということだけでその金額を払った値打ちがあるのかも知れないけれど、アートフェアのお祭り騒ぎとオークションの興奮で思わず衝動的に入札してしまったんだとしたら、老いてひっそりひとり暮らししている身にそんなものが届いたりしたら、数十年前の自分がしたことに気が滅入りそうだ。
(写真は同記事内にあった中国現代美術写真作品を携帯で撮ったもの。「不気味な作風で知られる長鵬(チャン・ポン)の『メイド・イン・チャイナNO.3』」とのこと。
人形のような少女たちが豚に外科手術を施している。豚の腹には真珠のネックレスがじゃらじゃらからまった手術道具が無数に突き刺さり、一方の少女の腕には呼吸器を付けられた嬰児が捧げ持たれている。)
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追記
15万ドルも出したい刺青ってどんなか見てみたいと検索したら、豚に彫られた写真が出てきた。
豚でも1460万円!
「豚に入れ墨、「アートな皮」1460万円で販売(2)」(Yahoo!ニュース)