金曜日分。
お盆の時期はほとんど注文が入らないのはずなのに、今日は午前中だけで1600個以上の注文があった。
普段でも500個の注文が入れば「今日は結構大変だった」というところなので、人の少ない日の午前中にその数というのはかなりの量。急ぐ順に作業をして、出勤してきている数少ない人手でそれぞれ手分けして納品に出て、最後に残ったのは私ひとり。
ひとりになったので倉庫のエアコンを切って、じりじりとした暑さを感じさせる蛍光灯も消して、低い明かり採りの窓からわずかに斜めに日が差し込む薄暗い倉庫の作業台に数百個の商品を積み上げて、ひとり黙々と明日納品分の作業。
そろそろお昼にしようかと倉庫を出ると、目が眩むほどの日射し。
息が詰るほどの真昼の熱気のせいかお盆のためか、外にはほとんど人通りがなくて、降り注ぐ強い日射しの下であたりが静まり返っている。
私が立てる物音以外のいっさいの音が消えたような奇妙な静けさの中で、開けていてもほとんど風の通らない事務所の窓を開け放してお昼ごはんを食べていると、時おり、坂道に面した窓の外を日傘が通って、ゆっくり坂をくだる足音や話し声が聞こえてくる。
坂の下のお寺に向かう人たちらしい。
小さな子どもたちの声やそれに応えるおばあちゃんの声。
パタパタパタと足音がして、止んで、ゆっくりアスファルトの上の砂を踏むような足音がして、止んで。
ああ、お盆なんだ、夏休みなんだ、と、今はもう行くことがなくなった田舎を思い出す。
倉庫の単純作業は私に向いている。
今日は丸一日仕事に集中し続けられた、と満足感はあるけれど、自分の仕事はたまったまんま。明日は自分の仕事ができるだろうか。
週明けがおそろしい。