結婚した頃は、タンスの引き出しの中もぐちゃぐちゃだった。
冬物の厚手、薄手、夏物の半袖、ノースリーブ、と中身ごとに引き出しを分けていたけれど、昔から親がしていたように衣類をたたんで重ねてしまっていたので、引き出しの中で何がどこにあるのかわかりづらく、下の方をほじくり返したり奥の方をまさぐったりで、すぐにぐちゃぐちゃになっていた。
それを、ある時友人から、引き出しの高さ(深さ)に合わせてたたんだ物を縦に立てて入れていけばいいという、たぶん世間ではとっくに一般的であったろうけれど私にとっては目からウロコのしまい方をアドバイスしてもらって、全てその方法で中身を詰め直してからは、スッキリ。
元々、部屋の中はぐちゃぐちゃなのに引き出しの中のペンの配置は決まっているような局所的神経質者なので、立ててしまうには引き出しが浅過ぎる下着入れと深過ぎる一番下の段を除いては、十数年、ずっとこの状態をキープしている。
何があるのか一目瞭然なので、新しいものを買ってきて引き出し内がいっぱいになった時に、全然着なくなって隅の方で眠ったままになっている物を取り出してヤフオク箱(という名のブラックホール)へ移す作業もスムーズ。
きっちり整頓されている引き出しの中を見るのは気持ちいい。
家全体にこの秩序が保てたら、どんなに快適だろう。
(同じ「引き出し」でも、入れる物が雑多で秩序が決められない事務所の引き出しの中は魔窟だけど。
この間も、割り箸80本と去年の秋のパンがふたつ出てきた。)