出張から帰ってきたRが
「ばれんたいん、おめでとー」
(ちょいちがう。)
と、kioskの袋をくれた。
中から出てきたのは、期間限定キョロちゃんクッキー、チロルチョコの青梅味と餅入りまっ茶味、ステックタイプのチョコケーキ、Prings GOURMET(食べかけ)、「SPA!」。
「なんで 『SPA!』? 何か買いたくなるような記事、載ってたの?」
ほら、と開いて差し出されたページには、
『私が女として終わった瞬間』
(ええ、終わってます(--)。いや、そもそも始まってなかったかも。)
と、
『今週の疑惑 島田雅彦』。
「わー、島田雅彦! この写真ヘンな顔だけど、やっぱ似てるよねー」
「そう? わかんないよ。」
記事には、
「(島田氏が)演じるのは、教え子の淫らな姿を携帯動画に録画、妻に送るという変態的な趣味を持つ、精神分析学者の大学教授。
島田氏をそのまま役にした映画との噂もあるが」
と。
あー、やっぱりRだ。
Rは今でこそふつーの社会人っぽくなってきたけれど、以前はなぜかしばしば教授や医者に間違われ (女性にも間違われ)、本人の趣向にかかわらず、なぜか「変態」オーラが出ていた。
つまり、島田氏同様、醸し出す雰囲気が変態教授。
大学の頃、講義で一緒になったサークル仲間の女の子の横に座ると
「色っぽくてコワイ。隣に座ってると犯されそう」
と席を移られたり、
(講義中に犯すワケがない)、
ゲイの男の子が相手を探しているというと
「誰かRさん呼んで来て」
と指名されたり。
別に特に女っぽいわけでもマッチョなわけでもないのに、あの妖しいオーラはどこから来るのか。