私 「今日、お風呂わかす? もう遅いからやめておく?」
R 「遅いしもういいよ」
私 「そっかあ。昨日頭洗っておいたらよかったなあ。しまったなあ」
R 「お風呂入ったのになんで洗わなかったの」
私 「もう3時だったし、それから洗って乾かしてたら寝るのが4時前になるかなあと思って」
R 「今日シャワーで洗ったらいいじゃない」
私 「この寒いのに、窓開けてて冷え切った風呂場でシャワーだけじゃ風邪ひきそう。どうしよう…
あ、そうだ、台所で洗ったらいいんだ! 去年そうしてたっけ。忘れてた。
髪短くしたし、また台所の流し台で洗えるんだ! やったー! よかったー!
今度から楽ちんだー!」
R 「そんなことがそんなに 『めっちゃうれしい』 の?(笑)」
うれしいよー。
台所の蛇口の先には水はね防止用の網が入っているので、横の髪をすすごうと頭を近づけると、シャーッと、網を通る細かな水の音が耳元で驚くほど大きく聞こえる。
耳のすぐそばを砂が流れているような、大きいけれど細やかな音。
その音以外に何も聞こえなくなる。
髪に当たるお湯の感触も、シャワーの硬い水滴のものではなく、網を通した柔らかなお湯。
柔らかなお湯に頭を包まれ、細やかな音に耳を塞がれて、外の世界から遮断されて眠っているかように心地よくなる。
でもやっぱりそれより何より、楽ちんなのが一番うれしい。