RがDVDを借りてきた。
『誰も知らない』。
聞いたことのあるタイトルだけど何だっけ、と思ったら、DVDの最初に
「この映画は、東京で実際に起きた事件をモチーフにしています。しかし、物語の細部や登場人物の心理描写等はすべてフィクションです」 と。
あ、あの映画だ。
年末にDVDを整理しようとTVを点けたら実写版 「火垂るの墓」 をやっていて、せつ子がかわいかったので途中から録画してRに見せたんだけど、その流れらしい。
数年前、会社がひどく逼迫していた時期以来、生活のことについては日々考えている。
今も家でトイレに入るたびに、いつでもしたい時に清潔なトイレで簡単に用が足せることに感謝し、汚物が自動的に処理されていくようなこんなゼイタクを続けていて大丈夫なんだろうかとふと不安になる。
水栓をひねって手を洗うたびに有難いと感じ、そんなに軽々しく水が使えることを遠い誰かに対して申し訳なく感じる。
この映画を見ると、そういった日々の不安や申し訳なさを形にされたように感じた。
遠い国でなくても、ホームレスでなくても、起こりうること。
荒れた部屋の中が自分の家の中と重なり、いっそうリアル。
いや、たぶん、映画の主旨からは大きく外れてるけれど。