Rが借りてきた映画。
最近見た映画がだいたい理解できるものばかりだったので、ちょっとはかしこくなったのかもと思っていたけれど、
どうやらたまたま、私にも理解可能な、時系列で推察力の必要ない映画が続いていただけだったよう。
この映画は、誰が誰で何がどうなっているのかサッパリ。
いや、ストーリー自体は特に複雑でもなんでもないんだけど、顔と韓国名がまったく覚えられないのと、場面の切り替えが多いのと、場面が切り替わる度にそれが過去の説明なのか現在なのかがわからなくなって、話が見えなくなって混乱。
最初いちいちRに説明を求めていたらひどく不機嫌にさせてしまったので、わからないままぐっとガマンして黙って見ていたら、前半の説明部分が終わって後半の山場分に入ったところでようやく話が理解できた。
で、見終わってから予告編を見て、細かい部分(ではないかも)で 「あ、そういうことだったのか」 「あ、この人がこの人で、ここはこの人物の説明シーンだったのか」 等々。
それでも何か大きな部分ですっきりしないところがあって、数種類ある予告編を次々に見ていたら、その中でひとつだけ、他の予告とは雰囲気もテンポもまったく違うものがあった。
「クムジュさぁーん、クムジュさぁーん! ねえ、どうしてクムジュさんは親切なの?」
あ! そうか!
どうしてクムジュさんが「親切」だったのかがわかった。
で、何かすっきりせずに引っかかっていた部分が、重くて陰気で痛々しい映画なのに、なんでこんな邦題(原題も?)なのかってことだったことも、そしてこの邦題の意味も、わかった。
で、そこからもひとつわかったのが、私には、裏のある関係性を理解する能力が欠けているということ。
わかったというより、前からわかっていたけれど、つくづく痛感したというか。
ただ過去のエピソードを紹介しているだけだと思っていた刑務所内の話は、クムジュさんの企みを描いていたんだ。
私は、人を操作しようとしているその行為にまったく気付かず、その「親切」と「復讐」の関係がまったく見えずに、ただ、今こうやって復讐しようとしているクムジュさんは、刑務所の中ではいい人でした、っていう、クムジュさんの過去を紹介しているだけだと思っていた。
(バカ?)
まあそういうわけで、見るのがすごく苦痛な映画だった。
やたら痛いし。
でも最後まで見通せたのは、背景のカットや構図のきれいなシーンがところどころに出てきてたので。