
古いスーパーマーケットの最上階に行った時、エスカレーター脇のさびれたゲームセンターに、ゲームなどしたこともなさそうな80歳以上と思われる年配の人がぱらぱらと10人ほどいて驚いた。
杖をついて覚束ない足取りで移動するおじいさんや、丸まった背中でクレーンゲームの中をのぞくおばあさん。
なぜそこに集まるようになったんだろう。
胸が痛む。
集まっておしゃべりするでもなく、みんなそれぞれゲーム機の前に黙って座っている。
見ているだけかと思ったら、私が通り過ぎる間にも、握り締めた小銭入れから機械に硬貨を何枚か入れてるおじいさんもいて。
つい、自分の親がそこにぼんやりと座っているところを想像してしまって無性に辛くなり、早足でエスカレーターをかけ降りた。
そんなことをつぶやいていたら、「これですね…」と、この記事を教えてもらった。
【ビジネスの裏側】「ゲーセンに集うシニア世代、ゲーム各社が開拓するシニア・マーケット戦略」 (msn産経ニュース 2013.5.6)
ああ、そうなのか。
あのスーパーだけじゃなく、全国的にそういう流れになっていたのか。
ただ、私が見た光景は、そのスーパー自体が寂れていたせいか記事のようには楽しそうではなくて、ゲームの機械音だけが大きく響く閑散とした中でみんな無言のまま無表情で座っていて、見ていていたたまれなかった。
そして、記事内の
「50歳以上のシニア層が『クレーンゲーム』と呼ばれる、菓子のつかみどりに挑戦していた」
に、「!?」。
自分が「シニア世代」なんだと、初めてはっきり認識させられた。
ゲームセンターで見た高齢者たちに自分の親や将来の自分を重ねて辛くなっていたけれど、いや、もう、今の私自身がそこに混じっていてもおかしくない世代になっていたんだ。
いまだに、20代の頃に集めたものや20代の頃の服を「やっぱりこれいいなあ」「まだ着れるかなあ」と手に取っては処分を迷っているけれど、頭の中の年齢は、実年齢にどんどん置いてかれてる。
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