「前田さん、死んじゃったって」と、R。
前田さん? 誰だっけ? 前にうちに勤めてた人に前田さんっていたっけ? とぐるぐる思い出そうとしながら「誰?」と訊いたら、「KSさん」。
大学時代の筆名。
ああ、そうだった。
筆名の印象が強くて、本名を忘れていた。
時折連絡をくれるHさんを介して電話で最後に声を聞いたのはいつだったろう。
マイナーで部員の少ない物書きサークルだったのに、
永沢さんが亡くなり、
F氏が亡くなり、KSさんも亡くなって。
元々数人しかいなかったあの期の人たちは半分近くいなくなってしまった。
心細い。
あの頃は永遠に学生気分でいられる気がしていたんだけれど。
友人知人が少しずつ欠けていく、そんな年代になったんだ。
「鏡に映る私は、あまりにも歳を取っている。まだ何一つ成し遂げてないくせに。」 @momosdeli
twitterにそんなつぶやきが流れてきた。
ほんとに、いつの間にこんなに歳を取ったんだろう。
最近鏡を見るたびに、自分で思っているよりひと回りもふた回りも年配の人の姿がそこにあって驚く。
まだこれからようやく人生に取り掛かろうって気持ちができてきたところなのに、もうそろそろ片付けに入る時期だなんて。
人生って思ってたよりずっと短いんだなあとつくづく思う。
「わたしも鏡をのぞくと毎回びっくりします。やっと大人になる準備ができたかなって感じなのにもう片付けで店じまいの準備かよって。ほんとに短い。」 @honwaca1
去年母に誕生日のお祝いの電話をした時に、母が「お母さん、70歳になったんやよ。早いなあ。びっくりするわ。70歳って言うたらもうおばあさんやなあ。早いなあ」と、子どものような口調で繰り返していたのを思い出す。
40歳から50歳まではあっという間だったけれど、同じくらいの感覚のうちに、50歳から70歳になってしまうんだろう。
今のままの感覚で70歳になった私に、もう今から驚いている。
「片思い、両思いどっちでも、好きな人に沢山会いに行こう。人生はあっと言う間におわっちまう。」 @honwaca1
ほんとうに、ほんとうに。
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