親の家、寒い。布団の後片付けを気にせず眠れるよう、やっぱり寝袋買おう。
朝5時過ぎにイタチが天井裏を走りまわってた。イタチ避けに線香焚こう。
ガン治療のリンパ浮腫がある母の左足は、右足の二倍半ほどの太さになっている。
治療マッサージをしてくれる病院が一件しかなくて、二ヶ月に一度くらいしかマッサージを受けられないらしい。
父の病院にも自分の病院にも遠距離を自分で運転して通っているようだけれど、めまいのこともあるし心配。
いつまで運転し続けられるだろう。
テーブルの上に、入院前の父の写真があった。
最後に5月に会ったときと人相が大きく変わっている。目付きがおかしい。父親に見えない。
知らない人の顔をしている。
入院して父の認知症は一層進んだようで、もうほとんどことばを発っしないらしい。
麻雀をやめて以来、他に趣味らしい趣味がなかった父が執心していたこの客間。
最初は落ち着いた和室だったのが、質屋(と聞いたけれど古道具屋?)に通い始めて、きらびやかで大きな飾り皿や、派手な掛け軸や金の屏風、革のソファセットなどを次々に買い集めるようになったらしい。
母が「和室にそんなソファなんて」「いくら縁起いい絵でも前の持ち主はお金なくなって質入れしたんやから」「これ以上置く場所はないから」と止めても聞かず買い続けたのは、今思えば、認知症の始まりだったのかもしれない。
機能を失いつつある親の家。機能を失いつつある親の体や精神。
親の家から戻ってくると、この荒れた家でさえ、秩序立っているように感じてしまう。
(どこが?)