先週の日曜日に遊びに来た中のひとりが、「みんなに送ろうと思いながら送りそびれていた」と、
「BIG ISSUE」を数冊持ってきてくれた。
「BIG ISSUE」はホームレスの人に収入の機会を提供するためにホームレスの人だけが販売できるシステムになっている雑誌で、話には聞いていたけれど実物を見るのは初めて。気軽に買いやすい薄さで、思っていたより読み応えのある内容。
みんなの分を買ってきてくれたのは、その号の中に、日曜日に集まったメンバーの共通の知り合い(というか、そのメンバーの中心人物)やその周辺の人たちが大きめの写真入りで数ページに渡って載っていたから。
「もうずいぶん会っていないし変わったかなあと思ったけど、まったく変わってないー」
「十数年前にタイの村で撮った写真にこれとまったく同じ表情のおんなじ写真があったよね」
等々、好き勝手言ってすみません。
で、その「BIG ISSUE」の他の記事をパラパラ見ていたら、小さなコラムの中に酷いニュースが載っているのが目に止まった。
TVはほとんど見ないので一般に報道されていたかどうかわからないけれど、ショッキング。
あ、検索したら出てきた。このニュース。
[野宿女性] 浜松市役所に運ばれ死亡
「4日間食事していない。ご飯が食べたい」というホームレスの70歳の女性が、救急車で市役所に搬送されたらしい。市役所に着いて花壇に腰掛けた女性に職員から渡されたのは、袋に入った非常用の乾燥米。
そこにはお湯もないし器もない。おそらくその女性には袋を開ける力さえ残っていなかっただろう。
女性は間もなく地面に身を横たえ、約1時間後、職員達が見下ろす中、女性はその乾燥米の袋を抱いたまま反応がなくなったという。
一緒にその記事を読んだ日曜日のメンバーの中に自治体の総合病院に勤めている医療ソーシャルワーカーの人がいて、
「いかにもありそうなこと。うちの病院に来ても同じようなことが起きていただろう」
と。
そのソーシャルワーカーの人からはいつも病院内のとんでもない状況を聞かされていて、身近なところにそんな無間地獄がと度々驚いていたんだけれど(あまりにすごいのでブログに書きたいと思いながらも、特殊な話が多くてすぐにどこの話なのか突き止められそうなので自粛)、外科医の側から書かれたこちらの話にも胸を衝かれます。
夢見るかえる 「断れない」
去年、リタリン関係でこちらをリンクして下さっていた医療関係ブログの中のリンク集で見つけて以来、そこに書かれたことばに惹き付けられて読ませて頂いているブログです。
日々極限的に時間がない中で書かれているにも関わらず読みやすく的確で味のある文章で、いつも、読みながら多くのことを考えさせられたり思い馳せたりしているのですが、この話は特にショッキングで。
先月読んで以来、ブログに書こうかどうしようかずっと迷っていたけれど、少しでも多くの人にこの現状を知ってもらえればと思って紹介します。
スタンフォード大学卒業式のスピーチも
「誰も知らない」も人に強く訴えかけるものだけれど、もっと身近なところにももっと切実なことがあります。
30行あまりの短い文なので、ぜひどうぞ。
夢見るかえる 「断れない」