舌の裏に小さな潰瘍状の物が出来ていて、痛い。
なかなか治らないし、もしや悪い物だったら、となんとなくタバコを控えていたけれど、24時間ぶりに吸ってみた。
ごくたまに、タバコの味が、27年前の夏の夜に防波堤で吸った一箱のタバコの味に重なる時がある。
初めて吸ったタバコでもないのに、その味だけはなぜか覚えている。
美術部の夏期合宿で行った、小さな島。
夜中、三人の男子らと部屋を抜け出して海岸に向かい、途中にあった自販機で誰かが「もうすぐ切れそうだから」と買ったタバコ。
当時ポピュラーだったセブンスターやマイルドセブンに混じって、普段見かけない古くさい銘柄のがあったので、なんでこんなのがこんな小さな島の自販機に、と面白がってそれを選んだんだった。
何もかもが窮屈で不自由で、何もかも自分の好きにできると思っていた頃。
ひと気のない防波堤で、そのタバコを吸いながらどんな話をしたのかは覚えていないけれど、その妙に甘くて中途半端な味は、時々、何かの拍子に口に広がって、その時のことを思い出させる。
あ、5時だ。
仕事があるし、いい加減寝なきゃ。
(この携帯での入力はことばに追い付かなくて、ほとんど取りこぼしてしまうし、途中で何を書いてたのかわからなくなってしまう。うーん…)