今週、夜11時からNHK-BSの『アニメギガスペシャル』という番組で、「とことん!押井守」というのをやっている。
初日が『GHOST IN THE SHELL』で昨日が70年代頃の初演出作品等、そして今夜放送されたのは、『うる星やつら』のTVシリーズの中の、押井守が監督した初期のものから4作品。
私が『うる星やつら』を見ていたのは、放送開始の頃。放送時間にたまたまに家にいればチャンネルを合わせていた。
そんな初期のものでもその頃のアニメにしては結構シュールで何でもありで、84年公開の劇場版『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』にも当時かなり驚かされたけれど、今日見たテレビシリーズの第101話『みじめ!愛とさすらいの母!?』(83年放送)には、もっと驚かされた。
失われたストーリー。
目覚めても目覚めても夢の中。
何度も突きつけられる「あなたはだあれ?」という問い。
まるで『ビューティフル・ドリーマー』だ。
TVシリーズでいきなりこれを? しかも30分弱で。
TVアニメというよりショート・フィルム。
「『虚構と現実』というテーマが初めて描かれ、押井ワールドの萌芽となった」
「不条理物」
確かに。
TVでよくこんなのを作れたなあと思っていたら、その後の解説で
「呼び出しを食らって『二度とこんなことはやるな』と言われた」
と。
「意外と芸のない結論ですのね。何なら通俗と言ってもよろしくってよ。その程度の分析でこの私の心の秘密を暴こうなんて、ずいぶんと安く見られたものね。
この、役立たず。
さっき夢がどうしたこうしたとおっしゃってたけど、今こうしてあなたと私が向き合ってるこの世界がまだ私の夢の続きでないと、どうして言えるの。
ふたりの医者が自分の影だとは、語るに落ちたわね。今そこにそうしているあなた自身、誰かの影でないとどうして言えるの。
そう、もしこの部屋が私の夢の産物なら、あなたを創り出したのが私かも知れなくってよ」
あたるの母親の口からそんなセリフが。
「その頃からいろんなアニメーターが噂を聞きつけて出入りし始めた。『あのシリーズはどうも何でもやっていいんだ』と」
「その頃から持ち込んだのは、『見立て』。話数ごとに映画の種類を変える。
昔見た映画の記憶をいろいろ混ぜ始めたというか、そのスタイルを意識して。」
「ハルヒ」の20年以上も前に。
『アニメギガスペシャル とことん!押井守』の放送スケジュールはこちら。
http://anime.goo.ne.jp/contents/news/NAN20070803_81/index.html
最終日の土曜日には
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』
と
『イノセンス』
が。
HDD、空けなきゃ。
(画像は『イノセンス』より。どこからかの借り物。自分で撮ったら差し替えます)