あさって税理士が来るけれど、何もできていない。
今月末に銀行の休業日が3日続いていてお金を動かせるのが27日までだと気付いたのは、先週半ばになってから。
明日の支払いの準備もまだ途中で、月末の資金の確認もまだ。
昼過ぎから時々軽いめまいのようなものがあるのが気になっていたけれど、仕事をなんとかしないとマズいので、夕方、リタリンを飲んだ。
飲むと、いつもの後頭部の「ジーン」が頭全体に広がっているような感じがしてきた。
めまいなのか薬の影響なのか区別が付かない。
何かが頭の中でぶわーんと広がるような感覚が何度か起こって、足元がふわふわしている。
いつものぼんやりした「ぶわーん」じゃなく、何かが一瞬で染み広がるようなはっきりした感覚。
「この『ぶわーん』、もしかしたら頭の中の血管が切れて血が広がっていってるんじゃないか?」
数年前に急逝した人のことを思って急に不安になり、あさっての税理士より、今このまま自分に何かあった場合のことを考えないと、と、自分にしかわからない形で放ってある書類や振込メモを整理し始めて、ああ、現金が帳簿と合ってないままだと思い出して焦り、こんなぐちゃぐちゃな机を他の人が見たらどう思うだろうと、開けっ放しの引き出しの上に積んであったコンビニのポリ袋をたたんだり、回収に出し損ねた古い電話帳をまとめたり。
重要なことと全然そうでないことをごっちゃにしていると自分で思いながらも、どうにもできない。
そのうちRが戻ってきて、
「今日はもう疲れたし、早く帰る」
と。
「うん…、なんか調子悪い。頭の血管が切れたみたいにぶわーんとしてて気持ち悪いし、自分で運転するのこわいから一緒に帰る」
「じゃあもう今日は途中で何か食べて帰る?」
「うん」
「ラーメン食べて帰ろうか♪」
「ラーメン!? 頭がぶわーんとなってるのに、ラーメンなんか食べたら血が脂でどろどろになって頭の血管が詰まってもっと大変なことになるかも知れないじゃない!」
「はぁ? 何わけわかんないこと言ってるの」
「わけわかんない!? なんで!? 私はこんなに色々心配してるのに、おまえは心配じゃないの!?」
焦るあまり、勝手にキレてた。
ラーメンを却下されたRがはげしく落胆した顔をしてたので、
「ラーメン屋さんでいいよ。私は炒飯と餃子頼むから」。
「ラーメンの脂はダメだけど餃子の脂はいいの?」
「野菜も食べなきゃいけないし、餃子のニンニクは血をサラサラにするからいいの」
「ふーん、そうなの」(と、聞き流すふうに。ええ、どうせ)。
(たいそうな入口だけど、ごく普通のチェーン店のラーメン屋。→)
食べて家に帰って、なんだか寒かったのでヒーターを付けてその前で寝転んでいると、体の表面がかすかにじわーんと痺れるような感覚。
不快なものじゃなくて妙に心地よく、タオルケットを全身にきゅっと巻き付けたかのような、長く続けていた貧乏ゆすりを止めて急に「静か」になった後の余韻のような、寒い日に熱いお風呂に入った時のじわーんに少し似ているような感じで、それが30分以上続いていた。
あまり感じたことのない不思議な感覚だったので、覚え書き。