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ゆがんだもの レトロなもの
by karino-tohko
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2006年 11月 23日
ゲシュタルト崩壊
子どものころ、ゲシュタルト崩壊を体験して
「私のアタマがおかしくなった??」 とショックを受けたのは、
「バケツ」。
バケツ、バケツ、バケツ、バ・ケ・ツ、バ・ケ・ツ、バ・ケ・ツ…
と繰り返しているうちに、「バケツ」が得体の知れないことばと化していった。

「ゲシュタルト崩壊」。
なじみのあるひとつの文字をじーっと眺めていると、その文字が頭の中でバラバラの線に (漢字だったらバラバラの部首などに) 分解されて認識出来なくなって、それが何という文字だったか、それが本当にそんな文字だったかどうかわからなくなる現象。

もっと以前から時々、ひとつの文字をじーっと見ているとそれが何なのかわからなくなりかけて気持ち悪いと思ったことはあったけれど、なんとなく、それはそうなるものなんだと思っていた。
(その認識は合っている。)

それがある時、文字の視覚認識ではなく、ことばそのもので起こった。
それが、「バケツ」。
「『バケツ』?? アレって、『バケツ』なんていう名前だった?? ほんとに??」
頭の中のバケツ像と「バケツ」ということばが結び付かなくなった。
見慣れた文字が見慣れない文字に見えてくるのは、子ども心に単に錯覚のようなものかと思っていたけれど、
なじみあるはずの単語が理解できなくなった瞬間は、自分の頭がおかしくなったかと思った。
でもすぐに、どちらも同じようなものなんじゃないかと気付いて、他の危なそうな単語で試してみた。
「やかん、やかん、や・か・ん、や・か・ん、ヤ・カ・ン、ヤ・カ・ン……ヤカンー??」
同じことが簡単に起こった。

ソレに「ゲシュタルト崩壊」なんていう大仰な名前が付いていると知ったのは、つい数年前。


で、今日ある掲示板で、「自我のゲシュタルト崩壊」と題してこんな書き込みを見つけた。
(掲示板の書き込みを勝手に転載するのはよくないかもと思って出典がないか検索してみたら、どうやら2chのオカルト板や軍板で有名なコピペらしい。)
家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい
鏡に映った自分を見ながら 『お前は誰だ』 と言ってみてください
いえ、お化けとか幽霊だとかそういう類のモノでは無いんです
鏡に映った自分の眼を見ながら 『お前は誰だ』 と言ってみてください

何か不安感というか、奇妙な感覚に囚われるかと思います


大戦中 ナチスがユダヤ人に行なった実験に
人格をコントロールするという名目で
一日数回 被験者を鏡の前に立たせて、鏡の向こうの自分に話し掛けさせ
(例えば『お前は誰だ』とか言わせ)精神の変化を観察記録していったそうな。
実験開始後
10日間経過したころには異変がみられ始めた。
判断力が鈍り
物事が正確に把握できなくなり、
そして3ヶ月経った頃にはすっかり自我崩壊し
「自分が誰だか分からなく」なって 狂ってしまった。

オチは2chっぽいけれど、ちょっと興味深い。
「見なれた」 という感覚が崩壊するとのこと。


でもコレ、実は 『お前は誰だ』 なんて問いかけなくても、私には普通に起こる。
たぶん他の人でも起こるんじゃないだろうか。
起こるのはたいてい夜遅い時間。何かで頭が疲れている状態の時が多いかもしれない。
トイレ解離のように、音や視覚に刺激がない状態や、同じ刺激が続いた状態の後に起こりやすいのかもしれない。)
それまでずーっと何かひとつのことをしていた状態を中断してトイレや歯磨きの時に鏡の前に立って、無意識にぼんやりと (普段、出かける前に髪や服装をチェックする時のような作った状態じゃなく、知らないうちに人が撮ったスナップ写真に写った時のような無防備な状態で) 鏡を見た時に、そこに映っている自分の顔にちょっと違和感を感じることがある。
で、その時に、その違和感をかき消さないようにその状態でじーっとその顔を見つめていると、どんどん見知らぬ顔になっていく。
顔が見知らぬものに見えてくると、「これは本当に私だろうか」 と思えてくる。
パソコンのキーボードに置かれた左手が自分の手だと思えなくなってくるのと同じで、解離に近いものだろう。
先のコピペの補足にも、暗示にかかりやすい人に起こりやすい、とある。

そういえば、最後の税務調査の時、一方的に話している調査員の横顔を間近でじーっと見ていたら、
朝からずっと目の前で話していて、相貌失認ぎみの私でもさすがにもう覚えたと思っていた顔なのに、ふと、今初めて見たような、まったく見知らぬ顔に見えてきて、
「…? この人は誰? さっきまでこんな顔だっけ? 朝から見ていたのは本当にこの人だっけ??」
と思えたことがあった。

ああ、そう言えば時々、夜遅くにKuと食事に行って向かい合わせで6時間くらい話している時に、Kuの顔が見知らぬ顔に変わりかけることもあったっけ。
全部同じことなのかも。


文字のゲシュタルト崩壊の説明で、人間の目は動くものを認識するのに向いていて静止した画像の認識は苦手なので、じっと見ていると文字の認識が薄れてくる、というのを何度か聞いたけれど、「目」というよりは「脳」が、視覚情報でも聴覚情報でも、ずっと同じ刺激や単調な状態が続くと認識力が弱まってくるんじゃないだろうか。


気になるけれど、時間がないので今日はここまで。
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by karino-tohko | 2006-11-23 23:00 | Trackback | Comments(7)
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Commented by karino-tohko at 2006-11-27 22:29
お気遣いどうもー。
そういえば、反対に、縦縞模様の部屋で育てられた猫(だっけか?)は横線が認識できず、横縞模様の部屋で育てられた猫は縦線しか認識できない、とかいう実験結果を何かで読んだことがあります。

あ、それは認識力が弱まったという話じゃなく、使わない視神経が発達しなかった、という話だったのかな。


> これ、本当かどうか気になるので 、やってみます。

しないでください。(^^;
Commented by magda at 2006-11-28 09:45 x
ゲシュタルト崩壊。本当に大仰な名前ですよね。

私の場合、崩壊の後には変容がくる感じがします。
じ〜〜っと見ているうち「何だこれ?」になって、
そのままじ〜〜っと見ていると、クルンクルンだな、とか
フワフワだなとか、見えている「ソレ」が、
はじめて見た面白いモノに感じられてくるのです。
見慣れた「あ」という字や普通のタンポポが、
実に興味深い、自分だけの新発見のように。
そうやって「何だこれ?」状態になると、
日常生活には支障が出るのですが、
くすぐられるような可笑しみも感じられて、
あの感覚、私、好きだったりします。
Commented by karino-tohko at 2006-11-29 12:43
ええ、あの不思議な感覚、ちょっと好きなんです。
でも、入り込むと戻ってこれなくなりそうで、日常生活に支障が出そうで、
「ああ、ダメ、ダメ」 と、そこから気をそらしてしまいます。

私は、崩壊→変容、というより、崩壊=変容のような感じです。
あ、と思った時点で、見慣れないもの、目新しいものになっています。
Commented at 2009-03-02 02:19 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by karino-tohko at 2009-03-02 19:58
■鍵コメント様
自分の頭がおかしくなったのかとあせりますよね。
これに名前が付いていると知って、私も妙に安心しました。
Commented by まちこ at 2009-07-24 23:13 x
ゲシュタルト崩壊!

わたしの場合は
「かさ」
でしたよ^^
Commented by karino-tohko at 2009-07-25 12:13
■まちこさん、初めまして。
幼稚園までに覚えたようなかんたんな基本単語ほど
崩壊しやすい気がしますね。
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