日曜日。
昼前に目が覚めた。
朝方4時頃に寝たから6時間以上は眠ったよう。
いい天気。
久しぶりに呼び出しもなさそうだし、部屋に風を通して、布団を干して。
さあ、今日こそ片付け。
…と思っても、なかなか取り掛かれない。
HDDの録画の空きがもうすぐなくなりそうだから、片付けしている間に、BSから録ったまままだ見ていない脳のシリーズをDVDディスクにダビングしておこうと思い、「これも脳関係だし、ディスクの余った部分に入るかな」 と別の番組の録画長さとタイトルを確認しようとして、
…そのまま番組1本見てしまった。orz
4月16日放送のBS世界のドキュメンタリー 『夫には7秒の記憶しかない /The Man With The Seven Second Memory』。
聡明な知識人だった指揮者が、ウィルスによって脳に障害を受け、直前の7秒ほどの記憶しか保持できなくなった話。
7秒の記憶では、物を考えることさえできない。
50分の番組の中で、彼が取材を受けるたびに何度も繰り返していたことば。
「死んだも同然ですよ。脳がまったく働いていないんです。昼も夜もすべてが同じで、夢も思考もありません」
「病気をして以来人に会っていません。人に会うのは初めてだ」
彼はその障害を持って以来、毎日日記を書き続けてきた。
「病気になって以来、日記なんて見てないよ」
― (1行ほどの日記を書いて) ―
「自分の字を初めて見た」
「人に会うのも初めてだ」
「(日記は)見てないな。…何か書いてあるが全く覚えていない。初めて書くんだ」
「クライブは自分の生活を確かめようと、この20年間毎日日記をつけてきました。
自覚した一瞬一瞬を、そのつど記録しています。
彼は自分の心が何か瞬間的な出来事を捉えると、時計を見て時間を確認し、それを書き留めます。「10時6分、初めて目覚める。」 と言った具合に。
その後、再び同じ感覚に襲われると、その前に書いた文章を無視して、「10時7分、本当に目覚める。」 と書き込みます。
やがて日記には、自分は目覚めた、今度こそ本当に初めて目が覚めた、といった文章が、延々と続いていくことになります。
これは、クライブが1990年に書いたものです。
病気になってからちょうど5年目ですね。
これを読むと、どうしようもない苦悩が手に取るようにわかります。
この状態は7年ほど続きました。
大きな字で時刻を書き込み、さらに、絶対間違いない、と、チェックマークを付けています。
今度こそ間違いない、本当に目が覚めたのだ、とね。
でもその後、すぐにその記述を棒線で消しています。
そして新たにマークを付けて、今度こそ本当だ、さっきのは間違いだった、と、書いてあるんです。
そうやって、前に書いた記述を消しては、今やっと、本当に、目が覚めた、と、繰り返し繰り返し書き直しているわけです。
力が入り過ぎるあまり、文字は読みづらくなっています。
まるで鉛筆で過去の時間を掘り起こし、なんとかして自分の記憶をつなぎとめようとしているかのようです。
しかし、彼の記憶をつなぎとめるのは、無理でした。」
不安、不確かさ、どうようもなさ。
私のぼけぼけの頭ではことばにできない。