Rの母親が事務所に、Oねえさんが亡くなったと連絡に来た。
OねえさんはRの親類で、この事務所の隣に住んでいる。
近所の人から「夜中まで明かりが点いたままの日が続いている」との連絡が入ったのでRの母親が見に行ってみると、
浴槽の中で亡くなっていたらしい。
自宅で亡くなったので警察の調査があり、推定死亡日時は24日夕方6時頃とのこと。
私も夜12時過ぎに事務所を出たりしていたけれど、Oねえさんの家と反対方向に向かうので、明かりには気がつかなかった。
このところ冷え込んだ日が続いていたのに、冷たいお風呂に三晩も浸かったままだったなんて。
Rに「寒かっただろうね」 と言うと、
「だから腐らなくてよかったんじゃない」 と言う。
…。
数日前の朝、道路わきのごみ集積所でごみを出しているOねえさんの脇を車で通って出勤した。
いつもなら声をかけるのだけど、その時のOねえさんは普段昼間見るときと違って髪が整っておらずずいぶん白いものが目立ち、前かがみになっていたせいか妙に小さく見えて、声をかけづらく、そのまま素通りしてしまった。
あの日の夕方だったのかもしれない。
軽いパニックになっている中、Oねえさんの家にいるRの母親から「新札の千円札を90枚用意して欲しい」との電話が入り、急いで数えて持って行く。
その場にいた人に20枚ずつ数えてもらうと、一枚多いとの事。私ももう一度数え直して、確かに一枚多いことを確認し、「慌てていたので」と言い訳しながら一枚持って帰る。
その後Rの母親が、「多かったのは1000円どころじゃないよ。1万円多かったよ。90枚だったら、20枚ずつ数えてぴったりになるはずないでしょ。大丈夫?」 と、1万円返しに来る。
あー、親類の人たちに、あそこの会社は大丈夫だろうかと思われたに違いない。