父にはもう家族のこともわからないし、食べてぼんやりして眠る以外何をすることもできないし、長く会ってさえいないけれど、ただ生きているというだけで何か自分の存在の支えになっている不思議。
先々週の水曜日は、自分の親の後見人の親族同意書への署名捺印で始まり、Rの親の生命保険の「本人に代わって全保険契約について本人同等に問い合わせできる」という「ご家族登録制度」への署名で締めた誕生日だった。
親の人生が終わりに近付いていることを再認識した誕生日。
それ以外には特に何もなく、いつも通りに終わる一日だったけれど、夜遅く、Rとふたりで外食しようと商店街に出て期待せずに入った店が大当たりで感激した。
こんなところに店が、と表の看板を見てビルの階段を上り、客がひとりもいない店内におそるおそる(Rはずんずん)入って。
パスタやアヒージョでも頼めばいいかと思っていたら、最初に勧められて注文したアンティパスト盛り合わせでやられた。
ほんのひとくちずつの小さなアンティパストが、どれも美味。
カトラリーが銀製なので驚いたら、元は本格的なコース料理を出していた店だったのが、今の時流ではそれでは客が入らないので、カジュアルなバル風に変えたとのこと。
道理で味も本格的。
ジビエや一流店でしか食べられないような料理も手頃に出ていたので、思わず手を出してみた。
アヒージョは数種類あった中からムール貝を選択。
ビジュアルに迫力あり。
そしてまたもや「大学の先生ですか? えっ、違うんですか?」と言われるR。
さらに、ユニクロのフィールドジャケットを着て行ったのに、「お客様のようにセレブな方は…」と言われるR。
色白で食前にスパークリングシャンパンなんか頼んで西洋人のような指遣いしながら話しているとセレブに見えるのか。
しかし、先生っぽさとセレブっぽさはあまり相容れない気もするけれど。
何も考えずよりによって誕生日の翌日に健康診断を予約してしまい、「夕食は9時までに」と説明を受けていたのに、食べ終えたら1時間半オーバーしてしまっていた。
数年前は5分オーバーしそうになっただけで焦ってたのに、私もずいぶん成長した。
(会社を出るのが夜9時をまわるので、例年は健康診断前夜の食事は事務所でコンビニ弁当を食べて済ませたりしてた)
今ちょうどこれを書いている最中に、母から電話。
うまく行けば後見人の手続きが明日で終わりそうとのことで、手を付けてから丸々三ヶ月がかり、最初に取った診断書の有効期日ぎりぎりらしい。
お疲れ様。
お母さんも自由に動けなくなっているのに、まかせっぱなしでごめん。
にほんブログ村 その他生活ブログへ