(続き)
10月の終わり、翌朝から三日間帰省するという晩に、「このままここに置いておいて、私がいない間にRが蹴飛ばしでもしたら大変!」と、家の中のどこに固定するか心が決まらず保留していた
聡子さんから届いた福太郎さんのおしりを一階の廊下の壁に掛ける決心をした。
(いや、物につまづいたり蹴飛ばしたりしてしまうのはRではなく私の方)
午前0時過ぎ。
寝室に向かうRを呼び止めて、壁に絵を当ててもらった。
「もう少し上かな」
「ドアが当たらない?」
「そっちとこっち、どっちがいいと思う?」
玄関ドアの磨りガラスと窓からの陽射しで日焼けが少し気になるけれど、ゆったり掛けられるこっちにしよう。
よし、と場所を決めて鉛筆で印を付けて、耐荷重4kgの「
ウサギフック MZ-40W(ホワイト)」(楽天にリンク)を付属の細いピンで取り付け。
念のため、まだ少しピンが浮いているこの仮留めの状態でそっと絵を掛けてみたら、
…ちょっと低い。
あと数センチ、上げよう。
ピンの頭をニッパーでつまんで引き抜いて、やり直し。
パッケージに「抜き跡が目立たない」と書かれていた外し跡は、500円玉と比較するとこれくらい。
見本にあった図よりは目立つけれど、穴の縁の浮いた部分を押さえて何かで埋めれば、ほとんど目立たなくできるかも。
今回は絵で隠れるので、このままでも大丈夫。
11月1日午前3時。
フックを取り付け直して、福さんのおしりを壁に掛けた。
しっくり。
反対側から。
ずっとここに掛ってたかのように馴染んでる。
翌朝、起きて二階から降りて来ると視界に入る絵。
おはよう。
どこに掛けようか散々迷ったけれど、一度ここに掛けたら、もう、ここに掛けるためにやってきたかのように溶け込んでる。
通るたびに眺めて嬉しくて口元が緩んで、まさに「福」がうちにやって来たよう。
人が描いた絵を買うことって、とても大変で決断が必要で、責任を伴う重いことのように思っていたけれど、思わぬ流れで絵を買うことになって、その絵がとても自然に家に馴染んでくれて。
重いどころか、嬉しくてふわふわで、そこにぽっと暖かい場所が、スポットライトが当たる場所ができたようで。
ああ、私のものでガチガチになっていた家の中に、空気が通ったような感じなのかも。
福さんの絵と、絵を家に入れる機会を、本当にありがとうございます。
及川聡子さんのサイトです。→
OIKAWA,Satoko / 及川 聡子
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(聡子さんの作品を拝見しに行った京都市立美術館の天井です)