先日(と書きかけて置いてたうちに二ヶ月経ってる!)、前々から話に聞いていた人に会って「初めまして」と挨拶したら、「いやいや、初めましてじゃないだろ」と周りから突っ込まれた。
「30年ぶりくらいですか。美術研究会で一緒でした」
「!?」
自分が美研に入ってたことも忘れてた。
その人は
F氏やHさんの友人なんだという認識だったけれど、Rとも知り合いで、大学時代(?)にRの実家に泊まったりもしてたらしい。
どういうつながりなのかさっぱりわからない。
共通の知り合いが何人もいて、向こうは私の住んでいたところまで覚えているのに、私の記憶にはまったくない不思議。
「いや、カリノさんは強烈な印象だったのでよく覚えてますよ」
すいません、すいません!(もう忘れて!)
大学時代と全然変わってないと繰り返し言われたけれど、こんな大学生がいたらこわいよ。
Rがその人たちと会食していた夜、終わりがけにRから「おいで。待ってるよ。(私の食べるものも)ちょっと用意してもらってる。ちょっとやけど」とメールが来て、仕事を片付けて店に向かった。
(以下、その時よばれたものを。カウンターで大将の了解を頂いて写真に撮ったけれど、慣れないカメラで初めて電球色の明りの下で撮ったので、とても美味しかったのに美味しそうに撮れてなくて申し訳ないです)
事務所での留守番中に軽食を済ませていた私のために用意されていたのは、突き出しと、みょうがと京茄子の甘い西京味噌の味噌汁に続けて、
古代のチーズ、「蘇(そ)」(酥)!
ジャージー乳の蘇とホルスタイン乳の蘇。
それぞれ風味も食感も大きく違う。
蜂蜜(これもただの蜂蜜ではなさげ)が添えてあったけれど、蘇の味そのものをじっくり味わいたくて、少しだけつけてみたあとは別々に味わった。
ああ、あんなに感激しながら食べた初めての味だったのに、すぐに書き留めておかないと、それぞれどんなだったか忘れてしまった…。
とにかく濃厚で美味しかった。
次に出てきたものも、初めての体験。
ご飯の「にえばな」(煮え端)。
(茶色いのは添えられたもろみ。)
おくどさんで炊き上がった直後、蒸らす前の、「ご飯」になる前のご飯。
透き通った重湯を薄くまとったとろりとしたお粥にツンと芯があるような、初めての食感。
そして、白ご飯と肴三種。
あぶった「鯖のへしこ」と、山葵(わさび)の漬け物と、…忘れた。
この針生姜のようなのが、山葵の漬け物。美味!
初めて食べた鯖のへしこの旨味にも感激。
続けて、香ばしい「おこげ」。
さらに続けて、甘みあるご飯に濃厚な味わいのたまごが落とされた「たまごご飯」。
ご飯物(っていうか、ご飯そのまんま)、4椀目。
しかし、美味しい。
ご飯ばかりでも食べ飽きない。
デザートは、胡麻アイスにいちじくの天ぷら添え。
いちじくの天ぷらは、さっくりとろり。
香ばしくて不思議な食感。
Rたちが食べた夜のコースは、これらのご飯とデザートに、料理が6~9品付いたものらしい。いいな。
私は料理自体は食べていないけれど、突き出しとご飯とデザートだけでも、美味しい店だというのが充分うかがえる。
隣でランチの予約を入れている人がいたので聞くとはなしに聞いていると、なんと、2年先まで席が予約で埋まっているとのこと。
聞き違いかと思ったら、表紙に「平成27年」と書かれた大学ノートの予約帳が繰られていた。
あとで検索してみると、ランチは1,000円台からあるようで、あの味を1,000円台で味わえるのなら予約でいっぱいになるのも無理はなさそう。
今度Rとふたりで行って料理も食べてみたい。
ごちそうさま。
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