二代分続けて
同じがま口の財布を買った私。
がま口に感じるこの安心感は何だろう。
20代の頃はスリムながま口形バッグに大きながま口ポーチをいくつか入れて、その中をさらに小さながま口で整理したりしていた。
日々持ち歩いているポーチは、swimmerの濃いあざみ色の革の掌サイズのがま口。
買った当初は、ピンクでもなくラベンダーでもなく紫でもない、印象的で本当にきれいな色だった。
しっかりした厚い革製で、内側はスエードのまま。
この中に、口紅もオリーブオイルも絆創膏もケータイ用イヤホンも指サックもカッターナイフも消しゴムも修正テープもドライバーも入れてある。
くたびれたかばんを何度か買い替えてきても、このがま口は買い替えることなく、20年以上毎日持ち歩いてきた。
700円だったのに作りが丈夫で、表面がぼろぼろに剥げるほど酷使してきても革から口金が外れたことは一度もなく、はじけそうなほどパンパンに中身を詰め込んでも、カバンの中で口が開いたことも一度もない。
まだまだしっかりしているけれど、表面からポロポロとはがれ落ちた塗装のかけらがカバンの中の樹脂系のものに貼り付くようになってきたところへ、Rから「それ、かび? きたないよ」と言われてあらためて見ると、確かに、剥げてスエードがむき出しになっている部分が手垢で灰色になって毛羽立って、カビているかのように見える。
買い替え時か。
定番っぽいデザインにも見えるし、もしやまだあるかとswimmerのサイトを見てみたら、ずいぶん路線が(対象年齢が?)変わっていて驚いた。
好きな色味で、口の部分にギャザーが寄ってなくて(なぜかあれは苦手)、同じくらい長く使える革製のがま口はないかと探して数ヶ月。
ネット上でイメージに近いものを見つけて、あざみ色の6倍以上の値段に「ポーチにこの値段は…」と数日迷ったあと、他に候補が見付からず、思い切って注文した。
買ったのは、Kanmi.(カンミ)というメーカーの、
サックス色のガマ口レザーポーチ(ショップにリンク)。
届いてみると、商品写真で見た印象と違ってマットでふかふか柔らかく、しっとり吸いつくような手触りの革。シュリンクオイルレザーというらしい。
(↑ 上のリンク先では商品名にしっかり「フカフカ」とある。ああ、注文前にここを見たかった。)
あざみ色のがま口のがっしりして乾いた感触の革とは正反対。
表面が柔らかなのは気持ちいいものの、全体にコシがないので、物の詰まったかばんの中でふなふなと形の定まらない様子が頼りない。
私のように細かいものをたくさん入れようとすると、たっぷり入るサイズがアダになって、その心もとない柔らかさと中身の重さがアンバランスで指から逃げて手に余ってしまう。
かえってもっと中身を詰めた方が落ち着くのか。
芯になるような大きなものを入れるとしっくり手に収まりそうだ、と試しにIS01やその付属品を入れてみたら、色的にもサイズ的にも誂えたようにぴったりで、芯が通って形も落ち付いた。
でも残念ながら、ケータイをポーチに入れて持ち運ぶあてはない。
この何とも言えない緩さと感触がクセになってきたのでついついいじってしまうけれど、長く使い続けられるかどうか。
ただ、かばんの口でIS01と並んでるのが目に入るのは、結構心地いい。